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――――――――――― 『パーフェクトスター』 ●第4章「夢の終わりに謳う歌」Bパート1 ――――――――――― * * * 「みゆきさんやつかさに呼び出されるのは問題ないよ。 友達だし困ってる事があるなら力になりたいからね…」 この言葉は私の本心で、嘘は一つも含まれてないと断言できる。 けど、今回のケースは極めて変則的で想いだけじゃさすがに収まりがつかなかった。 「でも、今回の呼び出し方はちょっと変わってるよね? 誰かは予想してたけど、最初はまったくわからなかったもん。」 想いから溢れた疑問が口からついて出る。 二人に寄せてる信頼の前では、呼び出しなんて容易く些細なことだ。 別にこんな偽装めいた事をしなくても、私は呼び出しに応じたはずなのに。 わざわざ知らないアドレスから私宛にメールをして呼び出したという事実は、 逆に2人から信頼されていない感覚を私に与えていた。 「…こなちゃん、それはねっ」 「つかささん、待ってください」 私の変化を察したつかさがその疑問に答えようとしたところで、みゆきさんが制す。 険しい表情をより一層険しくさせたみゆきさんが私に向き直った。 …正直、どちらかが答えるにしろ、この件に関しては“偶然”や“成り行き”で片付けて欲しかったのに。 「…泉さんのおっしゃる通り、今回の呼び出し方は泉さんの意に背くものだとわかっていました」 …みゆきさんの言葉に、それは叶わないものだと知らされる。 確かな背信が私の心を静かに抉る。 「だったら…なんで…!」 ありったけの冷静さを総動員しても、その言葉に哀しみを隠すことは出来なかった。 私の言葉の中の哀しみを感じ取ったつかさが顔を苦しみに歪ませる。 「泉さんには本当に申し訳ないことをしたと思っています。 ただ、どうしても彼女をここに呼ぶ事だけは避けたかったので、このような手段をとらせていただきました」 そんなつかさを他所に、依然みゆきさんだけは冷然と言葉を紡いでいる。 ── …みゆきさんのことだ。 この態度や言葉にも全部意味が含まれているはずだと、未だ信頼を捨てきれないもう1人の自分が私に呼びかける。 だったら、裏切られた哀しみに囚われる前に私も話を聞かなければいけない。 そう判断した上で、生まれゆく感情を一旦捨てることにした。 感情を忘却のロッカーに入れて閉じ込め、抑えるものを失った手隙の冷静さを盾にしてみゆきさんを見据える。 「彼女って、かがみのこと…?」 「ええ。もし仮に、私やつかささんの携帯で連絡したとします。 そのときに泉さんの近くにかがみさんがいた場合、泉さんならどうしますか?」 みゆきさんに提示されたシチュエーションを脳内で再生する。 私ならどうするか…。 「2人にかがみを会わせたいから連れて行こうとする、かな」 お見舞いのとき、かがみとみゆきさんを会わせる機会を作ったように。 今回も同じような行動をとると思う。それが私の出した答えだった。 「はい、私も泉さんと同じような結論に至りました」 みゆきさんは間髪入れず私の答えに同意を示す。 私という人間が解っていたからこそ、今回このような呼び出し方をしたのは解った。 だが、『どうしてかがみを呼びたくなかったのか』ということには触れられてはいないことに気づく。 「みゆきさんは、どうしてかがみをこの場に呼びたくなかったの?」 「…それはまだお話できません。が、順を追っていけばいずれお話できると思います」 みゆきさんの肝心な部分の黙秘に焦れったさを感じた私は、 手元にあるアイスコーヒーのコップに視線を落とし、コップを忙しなく回す。 忘却のロッカーから感情が物言いたげに胎動するのを必死に堪えていた。 そんな私の気持ちと相反するように、コップの中の氷が溶けてカランっと気持ちいい音を立てて崩れる。 「ちなみに、呼び出し方法についてはあくまで私の提案であって、 つかささんに非はありませんので、誤解ないようお願いします」 みゆきさんがこの謎に補足を付け加えたところで、私の中で“何か”が思い出された。 ── まただ、この違和感…。 ここにくるまで感じていた違和感にも共通する“何か”は『みゆきさんの補足』の短い言葉の中にしっかり存在し、 解決の糸口を探す範囲が絞られたも同然だった。 違和感を感じ取ろうと文節ごとに区切りを入れて探ってみる。 “呼び出し方法については”、“あくまで私の提案”、“つかささんには非はありません”“誤解ないように”。 …見つけた。 文節にあった違和感の正体をより鮮明にするに、目の前に2人へ視線を戻す。 ここまでくれば後は自分の記憶と状況の間違い探し。 しばらくして違和感が徐々に輪郭を持ち、見つけ出した違和感の答えが走馬灯のように私の中を駆け巡った。 …そして、すべてが繋がった。 いや、繋がらなかったが正しい。 さも当然のように受け入れていたが、私の知っている限りの情報と今回の本題のパズルをくみ上げると、 どこにも当てはまらないピースが一つある。 「なんでつかさが、ここにいるの…?」 公園でつかさを見たときから、深層的におかしいとは思っていたんだと思う。 つかさとかがみを会わせた事は無いし、かがみの話はつかさに一度もしていない。 だったら「かがみのことで話がある」と呼び出されたこの場に、つかさの存在はあり得ない。 私が感じてた違和感。その正体は、そう──つかさの存在だった。 「こなちゃん…」 まるでこのことを問われるのを望んでいたかのように、すでに覚悟を目に灯していた つかさが自分のカバンから大切そうに何かを取出し、テーブルの上に置く。 それは―― ストラップも何も付いていない飾り気のない携帯電話。 覚えている限りではつかさのものではない。 ここにあるくらいだ、所有者不明のこの携帯で私にメールしたのは何となくわかる。 でも、それは私が今欲しい答えじゃない。 「つかさ、これは…?」 「この携帯ね…私のお姉ちゃんのなんだ」 つかさは4人姉妹の末っ子だと高校時代から聞かされていたっけ。 そのうちの三女、ようはつかさのすぐ上のお姉さんはつかさと生命の種を分け合った双子だという話も聞いていた。 …一度は会いたいと望んだ同い年のその人とは、運命のいたずらの連続で、 結局会えずに高校生活を終えてしまったけど…。 気づくと、私はつかさの言葉に自分の記憶とそれに伴った想いと邂逅していた。 「私のお姉ちゃん…双子のお姉ちゃんの──」 セピア色の想いに浸っていた私を呼び戻したのもまたつかさで。 最後の言葉に世界が色を取り戻し、いつのまにか携帯に向けていた視線をつかさへ戻す。 「かがみお姉ちゃんの携帯なのっ!」 私はただ、つかさの言葉に耳を疑わざるを得なかった。 頭がうまく回らない。 自分に起きている状況すらうまく整理できない。 …さっきまであったはずの冷静さはどっかに吹っ飛んでしまったようだ。 今私を支配しているのは不信と驚愕。 だからこそ、私はありえもしない可能性に縋ることしかできなかった。 「つ、つかさの双子のお姉ちゃんは、かがみさんって名前なんだね」 「うん…」 「で、でも。つかさのお姉ちゃんが私の知ってるかがみとイコールで必ず繋がるなんて確証は」 「泉さん、信じがたい気持ちもわかりますが、確証はあります」 みゆきさんが私の言葉を遮る。 ── …そう、だよね…。じゃないとここに私を呼び出さないもんね。 唐突な右斜め45度からの質問をされれば、みゆきさんでも答えられないことがある。 でも、彼女達が準備した場に限って、不確定な要素が存在しないのは、高校時代の日々の経験と記憶が教えてくれた。 「こなちゃん、この写真を見てもらえる?」 今度は1枚の写真が差し出される。 そこに写っていたのは、薄紫のツインテールの持ち主。 シチュエーション的には、「お姉ちゃん」と呼びかけて振り向いたところ激写、なんだろうか。 ポッキーを一本だけ銜えて振り返りながらも、何の感情のない表情が写真に収められていた。 …ただ、自分の記憶にある人物との差違を私は感じてしまった。 例えるなら、アニメの各話ごとに変わる作画監督のタッチの差で、キャラクターの表情が微妙に異なるような感じ。 写真の中の被写体は──写真の中のかがみはどこか冷たい雰囲気があった。 「かがみ…」 私の呟きが、みゆきさんがいう“確証”になるのは解っていたけど、 もう止める必要がない気がした。 ── この写真だけでも十分だよ…。 「…泉さん、信じていただけましたか?」 「…そだね、この写真出されたら信じるしかない、よね」 かがみが何者なのかこうして種明かしがされた後、つかさが双子の姉である“柊かがみ”について色々教えてくれた。 姉妹の中で最も「姉の威厳」に囚われた人で、一流進学校である高校に進んでからは、 周りの状況に流され、今まで“身内に向けられた威厳”が、周囲にも負けや妥協を辞さない“プライド”に変化していた。 家族や周りの人間にもその厳しさは及ぶことはあったものの、かがみが一番厳しくしたのは自分自身だったらしい。 身体を壊すくらいの努力は、常に成績の上位をキープし続け、志望していた法学部への受験にも成功させた。 大学へ進学した後、かがみは一人暮らしをしたいと家族に進言したという。 環境の変化から、家族からもその堅い性格への改変に期待して一人暮らしを承諾したが、 彼女の強固なプライドは一切変わる事無く、それどころかより一層堅く彼女を取り巻き覆う形になっていた。 そりゃあ弁護士を目指すとなれば、至極当然な結果とも言えなくはないけど。 ── あの写真から感じられた冷たさの正体はそのプライド、なのかな…。 私は、氷のほとんど溶けかけたアイスコーヒーを一口飲みながらそんな事を考えていた。 未だ、かがみ=柊かがみの方程式は私の中で成り立ってはいないけど、蛇足を脳内で交えながら、 “柊かがみ”については理解を得た。 「かがみの過去についてはわかったよ、つかさ」 「うん」 「…でも、そんなかがみがどうして記憶を無くしちゃったんだろ?」 「…っ」 私の中の驚愕が萎み、2人に対しての不信も過去の話を聞いて行く上で徐々に元の形を取り戻した頃、 次にたどり着いた疑問はそれ。 かがみが記憶を失ってしまった理由だ。 つかさが言うほどのプライドを持った“柊かがみ”にとっては、今の状況は最大の汚点ではないのだろうか。 記憶を失い、本来の自分の制御外で自分が動いて、思い出を作っている。 ──その状況が、だ。 「現在のかがみさんの状態と記憶の消失の経緯については、私からお話させていただきますね」 口を閉ざしてしまったつかさに、みゆきさんの助け舟が出る。 かがみの過去を基軸として、みゆきさんがこれから話すことを線で結べば、その線はきっと私に届く。 ── ここからが本番…かな。 私は小さな決意を心に灯した。 「うん…みゆきさんお願い」 「はい、その前に泉さん。一つお願いがあるのですが」 「ん、どしたの?」 「かがみさんと出会った時のこと、それから今日までのかがみさんの状況を簡単でいいので お話していただけませんでしょうか?」 「かがみとの?」 「ええ。私がかがみさんと接触したのは、つかささんのお見舞いにいく前の数十分だけで、 泉さんの傍にいらっしゃるかがみさんのことをあまり知り得ていません。 出来る限り、私の中の不鮮明な部分を明らかにしてから、これからのお話をしたいので」 みゆきさんから先程まで感じた言葉の冷たさが少し軽減されていた。 もう何も隠さずに私に思惑を伝えてくれてることがそう感じさせる要因でもあったけど。 そのみゆきさんの態度に、しっかりと形を取り戻した2人への信頼が、 何も迷うなと私に囁きかけ、私も再びこの2人を信じたいと願っている。 ── だったら、望むように行動してあげなきゃね。 私はかがみと出会ったときのこと、不思議な同居生活が始まったときのことを覚えてる限りをみゆきさんに伝えた。 隣にいたつかさも合わせ、2人とも至って真面目に私の話を聞いてくれてた。 話の中にある笑い話にも応じてくれたりもした。 そして一通り話し終えた後、みゆきさんは、私に対し感謝の言葉を一つしてから、 自分の中ですべてが繋がったことを確信するかのように頷いていた。 パーフェクトスター第4章Bパート2へ続く コメントフォーム 名前 コメント
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私は卑怯者だ。 私は誰も幸せに出来ない。 自らの想いを伝える勇気も無く、好きな人の純情を踏みにじり、懺悔もせずに逃げ出した。 それでも、自分にとって都合の良い日常を保とうとして、必死に立ち振る舞って――大切な友達の事まで傷つけてしまった。 私は、一体何の為に生まれてきたのだろう? 卑怯者の私に、一体何が出来るというのだろう――? 「ふとしたことで~救済~」 日に日にクリスマスムードが高まっていく中で、私にとって悪夢以外の何者でも無かった二学期は、本日の三者面談と、22日の終業式を以ってようやく終わりを告げる。 「――まぁ、泉の話に関してはそんなところです。あ、あと、冬休みはあっという間に終わるんで、徹夜でネトゲとかし過ぎて生活のリズムが狂い過ぎんよう、ご家庭の方でも指導の方よろしくお願いします」 「分かりました。こなたにもそう言い聞かせておきます」 その三者面談も、私の成績の話と偏った生活習慣に対する指摘を経て、最後のまとめに入ろうとしていた。 「…泉も、今日はあんまり喋ってないけど、特に言う事は無いんか?」 「あ、はい、大丈夫です」 「そうか。それならええけど…。じゃあ、これで終わりです」 黒井先生に軽く頭を下げるお父さんに合わせて、私も軽く会釈をして椅子から立ち上がる。 こんな強制イベントは早く終わらせて、一刻も早く冬休みを――かがみの影に怯えるような自分自身の情けなさから逃避する事の出来る冬休みを迎えたい。 それが今の私の率直な気持ちだった。 「あっ、せや、アレを言うのを忘れとった」 唐突に先生が何かを思い出したかのように、手をポンと叩いた。 「まだ、こなたの事でなにか…?」 「いや、別に大した事やないんですけど、ここ最近、泉と柊姉の方が顔を合わせてるとこを見てないなぁ~思いまして」 一番聞かれたくなかった話題が飛び出てきて、私は思わずその場で固まってしまった。 「そういえば、家でも最近かがみちゃんの話は聞いてないなぁ…。まぁ、その事はまた家の方で話をしておきます」 お父さんがそう答えた後、ようやく面談は終わった。 先生も最後の最後で余計な課題を押し付けて来なくても良かったのに…。 「…かがみちゃんと喧嘩でもしたのか?」 帰りの車内、タイミングを見計らったかのようにお父さんがその話を切り出してきた。 「別にそんなんじゃ無いよ……」 窓の外で流れる、曇り空で澱んだ街並みを眺めながら、私はポツリと言葉を零す。 お父さんには、未だにかがみの事は何も話せずにいた。 お母さんが居ない私にとって、お父さんは家族と呼べる唯一の存在だ。 もしも、私が同性の親友に対して不埒な行為をし、あまつさえ私がその娘の事を好いているとお父さんが知ってしまったら――。考えただけでもゾッとする。 だから、もうその事に関してはそっとしておいて欲しい…。 「家での会話の内容を遡ったら、もう一ヶ月以上になるな…。どっちにせよ、早く仲直りした方が良いんじゃないか? かがみちゃんも、こんな状態は望んでないと思うけどなぁ…」 「……」 でも、そんな願いも空しく、その話題はお父さん主導でどんどん話が進められていく。 お父さんは、何も知らないくせに…。 そんな私のどす黒い感情が、心の奥深くから蠢き出す。 「なぁ、こな――」 「お父さんには関係無いじゃん」 私がそう発した瞬間、車の中の空気が凍り付くのが分かった。 言ってから、しまったと思った。 恐らく、車を運転するお父さんの穏やかな表情も、瞬間凍結されたような状態になってるんだろう。 だけど…、私は振り向いてそれを確認する事も出来ず、ずっと窓の外を見つめ続けていた。 どうして私はこんなにも人を傷つけてしまうのだろう……。 そこから家に着くまでの間、車内には鈍いエンジン音と、カーステレオから流れる場違いなアニメ主題歌だけが延々と鳴り続けていた。 § 「先日、かがみさんとつかささんが喧嘩をしました。…そして、今の時点でもまだ仲直り出来ないでいるそうです」 数日前。みゆきさんに呼び出され、糟日部駅近くのあのカフェにやって来た私は、そう話を切り出された。 「…へぇ、そうなんだ」 まさか、私が原因で、とかじゃないよね…? そんな不安を顔には出さず、あくまでも私は平静を装う。 「その喧嘩の原因なんですが…。どうやら、つかささんがこなたさんとかがみさんの仲を取り持とうと持ちかけた時に起こったそうなんです」 「そう…なんだ…」 ああ、やっぱりそういう展開になってるのか…。 悪い予感が当たってしまい、私は歯切れ悪く返事をする事で精一杯だった。 そんな様子の私を前にして、みゆきさんは更に話を続ける。 「実は、今回の問題が起きた時、私もつかささんも、ここまで事が長引くとは思っていませんでした。ある程度すればお二人が自発的に和解するだろうと考えていましたので…。私もつかささんも、無理に仲裁せずに経過を見守ろうという事で見解を一致させていました。ですが、1ヶ月近く経っても、お二人の関係に何の進展も無い事につかささんが痺れを切らして、その話をかがみさんに持ちかけた……というのが全ての真相です」 「……」 それを聞いて、私は自分自身の認識の甘さを恥じずにはいられなかった。 ほんの少し前まで、私はかがみのいない日常でも、私が何もしなければ問題は無いんだと思い込んでいた。 でも、その仮初めの日常も、つかさとみゆきさんが常に気配りをする事でようやく保つ事が出来ていたに過ぎなかったのだ……。 「こなたさん」 そして、打ちひしがれる私に更に追い討ちを掛けるかのように、みゆきさんが私の顔を見据えながら、私の名前を呼ぶ。 「友達として、敢えて言わせて頂きます。……かがみさんと会って下さい。会って、話し合いをして下さい。私もつかささんも、今のお二人の不安定な関係を見続けるのはもう辛いんです…」 その目尻に涙すらも漂わせて、みゆきさんが私に懇願している。 それでも、私は自分の首を縦に振る事が出来ない。 「…ごめん、みゆきさん。今の私には、かがみと今までのような関係に戻れる自信が無いんだよ…。もう、かがみの事を“ただの友達”としては見られない。…だから、もう私はかがみと会わない方が――」 「それは違います」 想定していなかったみゆきさんからの反論に、私は思わずビクリと体を震わせた。 「こなたさんは自分を誤魔化して逃げてるだけです。かがみさんからも、ご自身の大切な気持ちからも。…そんなの、絶対に間違ってます…」 「……」 ……正論以外の何物でも無かった。 結局、私はどこまで言っても臆病な人間で、誰も傷つけたくないと言いながら、本当は自分の保身しか考えてない卑怯者で――。 「…少し、考えさせて」 だから、この前向きに見える発言も、実際はこの場から逃れる為の単なる出任せでしか無かったんだ…。 § 太陽が沈み、限りない闇の世界が窓を通り抜けて私の部屋を侵食する。 それでも私は、灯りの一つも付けないまま、部屋の片隅に蹲っていた。 蹲り、後悔の念にひたすら駆られていた。 どうして、私はかがみの事なんか好きになってしまったんだろう…。 好きにならなければ、誰も辛い思いをせずに済んだ筈なのに。 こんな感情、気付かなければずっと幸せのままでいられたのに…。 涙が止めとなく溢れくる。 いくら泣いたって、何も解決しないのに…。 コンコン。 突然のノック音。 取り繕う暇も無く、お父さんが部屋に入ってきた。 そして、私の様子を一目見て、思わず苦笑いの表情を見せた。 「何か辛い事や悲しい事があると、そうやって部屋の片隅で三角座りする所は、昔から変わってないな…」 そう言うと、電気を点け、動かないままの私の隣に座り込んだ。 そして、何も言わず、その大きな手で私の頭を優しく撫で続ける。 私がこういう状態になっている事に気付いた時、いつもお父さんはこうして私が“それ”を話し出すのをじっと待つのだ。 私が歳を重ねていくにつれて、そういう行為をする事も無くなっていったのだけれど、今でもこれは変わってないんだな……。 そう思うと、もう耐え切れなかった。 「…おとう…さん…」 「ん?」 「わたし……。かがみのことが……かがみのことが……」 言ってしまったら、もう後戻りは出来ないという恐怖が私を襲う。 「す…き」 その恐怖に打ち克ち、しゃくり上げながらようやくそれだけを伝えた。 「そうか…」 私のタブーな告白を聞いても、お父さんの穏やかな表情は曇る気配を見せなかった。 「…なぁ、こなた」 お父さんの顔と私の顔が真正面で向かい合う。 「…お父さんはな、こなたが幸せで居られるのなら、他はなんにもいらないんだ。自分の子供の不幸を願う親なんて誰も居ないし、そんな親が居たらそいつは親として失格だと思ってる。だから、もう一人で全てを抱え込もうとしないでおくれ。例え、世界中の人間がお前の敵に回ったとしても、俺だけは――いや、お父さんとお母さんはいつまでもお前の味方だ」 その言葉を聞いた瞬間、私の中で縛られていた全ての想いが解き放たれた。 「…う…うぐっ…」 何かを伝えたいのに、それが嗚咽になってしまい、言葉として出てこない。 そんな私をお父さんはそっと抱きしめた。 そのお父さんの腕の中で、私はいつまでも涙を流し続けた。 キスした事に対する自責の念も、自らの想いがかがみに拒絶されるのではないかという恐怖も、全てが涙として流れ落ちていくようだった。 0の関係、1の感情へ コメントフォーム 名前 コメント (T ^ T)b -- 名無しさん (2023-06-22 07 40 30) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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「それでですね……」 「ああ、そうするわ」 「お姉ちゃん、大丈夫なの?」 帰り道、何故かかがみとつかさとみゆきさんは、私に隠れてこそこそ話している。 何の話だろう。気になる。 その間、私は三人の後ろを独りで歩いていた。 無理矢理話に参加したり、何の話をしてたか聞こうか。でも、さすがにそれは強引過ぎるかな。 みんなにもプライバシーとかがあるし。 でも、今日こんなことがあると、疎外感で少し悲しくなる。 明日は五月二十八日。私の誕生日。 ちょうど土日と重なったし、かがみたちとどっかに遊びに行きたい。そう思ってる。 話が一段落したようなので、さりげなくかがみに聞いてみた。 「ねえ、かがみ。明日どこかに遊びに行かない?」 「こなた、急いでるからまた今度にしてくれる?」 「え、かがみ……」 かがみは走り去ってしまった。 何でだろう。話しかけただけなのに。そこまでツンデレだったっけ? 「つかさ。かがみ何かあったの?」 「え、な、なんでもないよ。じゃ、私も急いでるから、またね、こなちゃん」 つかさもかがみの後を追うように走って行った。 なんだか避けられてるような気がする。 みんな、明日が私の誕生日だってこと忘れてるのかな? それとも……。 いつの間にか、私とみゆきさんだけになっていた。 「みゆきさん、明日何の日か知ってる?」 ほんの小さな不安に駆られて、思わず聞いてみた。 本当は、本人がこういうのを言うべきじゃないんだろうけど、確かめずに入られなかった。 「明日ですか? 日本海海戦が開戦した日でもありませんし、何かありましたっけ?」 「え……」 「あの、私も少し用事がありますので、失礼します」 みゆきさんも小走りで去っていく。 そして誰もいなくなった……か。 「みんな忘れっぽいなあ。何とか気づかせてあげないとね」 でも、忘れてるだけなら分かるけど、どうして皆いなくなっちゃったんだろう。 急いでるとか用事があるとか、典型的な言い訳のネタだ。 私の知らないところで、何してるんだろ。 不意にお腹の辺りが冷たくなってきた。この気持ちは何なんだろう。 怖いのかな。不安なのかな。分からないや。 家に帰ってから、かがみに電話してみた。 不安を消したくて、たまらなかった。 きっと、かがみも普通に話してくれるよ。さっきは本当に用事があって忙しかっただけ。そうに違いない。 「もしもし、かがみ?」 「こなた? ちょっと今手が離せないの。ごめんなさい」 「あ、まっ……」 ツー、ツー、ツー 布団に入った。 明日誕生日なのに、全然嬉しくなかった。 みんなに避けられてる。 つかさにも、みゆきさんにも、かがみにも。 何がなんだか分からなかった。知らないうちに、何か気に障るようなことをしてしまったのだろうか。 でも、三人はそれくらいで私を避けたりしない。勘だけど、自信を持って言える。 もう訳が分かんないよ……。 ツー、ツー、ツー 頭の中で無機質な電子音が駆け回っている。 朝が来た。 今までで一番悲しい誕生日。自分でケーキでも買ってささやかに祝おうかな。 もう少し寝ておこうか。目が覚めたら明日になってくれるかもしれないし。 でも、これ以上はどうしても寝れなかった。 仕方なく目を開けて、立ち上がる。 パンッ! パンッ! パンッ! 「わっ!」 目が完全に覚めるほどの破裂音。 何? 戦争で始まったのかな? 上から何かが大量に降ってきた。手にかかったそれを見ると、紙テープだった。 「ハッピーバースデー」 その後は何を言ってるか聞き取れなかった。 でも、振り向くと、ベッドの横に。 かがみとつかさとみゆきさんがいた。 どうなってるんだろう。私は避けられてたはずなのに。 「誕生日おめでとう」 「びっくりさせようと思って秘密にしといたの、ごめんね、こなちゃん」 これは、現実かな。夢だったりしないかな。 みんな、私を避けてたわけじゃなかったんだ。私を驚かせようとしてただけだったんだ。 良かったぁ。本当に、良かった……。 「このケーキ、かがみさんが一人で作ったんですよ」 「どうしても自分だけで作りたいって言うからね」 「ちょ、二人とも、そんなこと言わないでよ」 「ほら、お姉ちゃん。早く渡して」 「わ、分かってるわよ。はい、こなた。ケーキよ」 目が熱くなってきた。緩まないように、ぐっとこらえる。 でも、我慢するのは無理だった。すぐに弾けた。 滲んで、何も見えないや。 かがみ、つかさ、みゆきさん、ありがとう。本当に、ありがとう。 「ど、どうしたのよこなた。いきなり泣き出して」 「ううん。なんでもないよ。ただ、みんな粋な計らいをするなぁって。それで嬉しくなって……。ありがとう、みんな」 目を擦って、笑みを作る。 起き上がって、ベッドに腰を下ろした。 いつの間にか、用意されていたテーブルに、かがみがラッピングされた箱を置く。 リボンがついた、まさにプレゼントといった箱だ。 「泉さん、あけてください」 「うん」 リボンをほどいて、箱を開ける。 生クリームのケーキが出てきた。 でもそれは、ケーキではあるのだが、なんと言うか、見てくれが悪い。 「何か……変な形だね」 「悪かったわね。変な形で。これでも頑張った方なのよ」 「まあまあ、お姉ちゃん。それより、ろうそく立てよう」 ケーキに十八本のろうそくが刺さっていく。それにみゆきさんが火をつけていく。 私はそれをぼんやりと見つめていた。 十八の明かりが、カーテンで薄暗い部屋に浮かび上がった。 「こなちゃん、一息で消してね」 「任せてよ」 大きく息を吸い込む。思いっきり吐き出す。 一気に炎は消えていった。 拍手の音が生まれる。 それから、つかさがナイフでケーキを四等分にして、お皿に乗せた。 「じゃあ、朝からで変な感じだけど、食べよう。いただきます」 その言葉に、私はフォークでケーキを口に運んだ。 「変な形で、変な味になっちゃったけど……」 これは、甘すぎるような……。でも、今はこれくらいがちょうどいいかな。 それに、味なんて関係ないよ。おいしくないわけがない。 何しろあのかがみが作ってくれたんだから。料理が苦手なのに、一人で頑張って。私の為に。 「こんなおいしいケーキは、初めてだよ」 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-15 08 57 54) いい話だなぁ。。 -- 名無し (2021-08-01 23 41 55) わらしにも!わらしにも一口! -- ぷにゃねこ (2013-02-07 19 10 42)
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「こなた~」 「やふ~♪ かがみん、どうしたの?」 「途中まで帰りましょう?」 「うぃうぃ~♪」 「………………手を繋いで」 「了解~……ぃえ゛あぁぁあ?!」 「ダメ?」 「ダメ、ぢゃ、ない、デス」 「じゃあ、行くわよ」 「う、ううううんっ!」 「……………………」 「……………………(これなんて羞恥プレイですかかがみ様……)」 「………………こなた」 「ひゃい!?」 「腕、組もっか?」 「ふえぇええええ!?」 「ダメ?」 「ダメじゃないよ?!」 「良かった……」 「(さっきから上目遣いとか、反則すぐる……って、かがみん、胸! 胸当たってる!)」 「こなた……」 「コンドハナンデスカ!?」 「好きよ、こなた」 「…………アハ☆(脳内パンク)」 「愛してるの……もちろん恋愛感情で」 「落ち着け! 落ち着いて素数を数えるんだ! 1、2、3、4、5……」 「真面目に聞いてよ!」 「う、あ……」 「こなたは私の事どう思う? 女の子同士だし、やっぱり私おかしいかな?」 「……そんな事ないよ!」 「え?」 「かがみんは料理下手だし暴力的だしツンデレだし!」 「う、うん……」 「だけど、本当は凄く優しいし、美人だし、ツインテール可愛いし! そういうところも全部含めて、私はそんなかがみんが大好きだよ!」 「こなた……」 「かがみん……」 「こなた!」 「かがみん!」 「(つかささん……)」 「(どうしたの、ゆきちゃん?)」 「(どうしたの、ではありませんよ! このままでは本当にカップル成立してしまいますよ!)」 「(だって二人共幸せそうだし、今更『ドッキリ大成功』なんてプラカード持っていけないよ~)」 「(まさか、かがみさんが本気で泉さん狙いだったなんて……)」 「(ゆきちゃん、ゆきちゃん)」 「(何ですかつかささん。 私達は新たに作戦を……)」 チュッ 「(~~~~ッ!?)」 「(私はゆきちゃん狙いだよ?)」 (あれ? 何で天使がこんなところに居るんですか?) 「?」 「(つかささん、今から予定が空いていたら、夜景の綺麗なホテルで桐タンスの今後について語りませんか)」 「(バルサミコ酢の事も話していい?)」 「(もちのろんです。 二人で朝まで創○のアク○リオンです)」 「こなこな♪」 「私の嫁♪」 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!笑 -- 名無しさん (2023-05-15 17 55 23) どうしてこうなった…(笑) -- 名無しさん (2017-04-04 23 44 10) これがいい道ですね〜♪ -- かがみんラブ (2012-09-15 21 43 49) どうしたの かがみ? -- 名無しさん (2010-06-15 16 32 35) 和むvV四人が幸せそうでなにより -- 小谷 (2010-01-17 20 00 45) やっぱり、こな×かがは明るくラブラブじゃなぃと☆ つか×ゆきにも和みました(笑) -- 名無しさん (2009-11-13 19 08 23) つかさ×みゆき… 是非とも作ってもらいたいですね -- 名無しさん (2009-05-02 03 03 37) こういうお話が大好きです。作者殿GJです!! -- 名無しさん (2008-09-07 08 00 49) おおおおおう、こ れ は い い w -- 名無しさん (2008-09-05 19 23 58) 素数じゃねえwww -- 名無しさん (2008-09-05 06 11 37)
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夢。 夢を見ていた。 あ、別に某たい焼き少女の真似じゃないよ? それに、こんな夢を見ることになっちゃったのは、結局自分のせいなんだし。 まさか、かがみに高校一年生の頃の話を振っただけで、あんな展開になる とは思ってなかったからね。 そう、あんな昔話をしただけで―― ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「はぁ~、こりゃ完全に待ち合わせ時間オーバーだね。 参っちゃうよ」 誰かに話しかけている訳でもないのに、私は移動中の電車の中で つり革に揺られながらぽつりと呟いていた。 加えて車内は朝のラッシュに 突入していることもあり、通勤や通学の人達でごったがえしていた。 その光景は高校に入学してから間もない私の気を滅入らせるには、 大きなお釣りがついて来るほどに充分過ぎるものだった。 (う~。 よりにもよって、こんな日に寝坊しちゃうなんて、 最悪だよ……。 二人になんて言えばいいんだろ) そして、私をへこませているもう一つの原因。 それは自分にあった。 実を言うと、今日から新しい友達であるつかさ達と一緒に登校する ことにしたのだが、待ち合わせ場所に派手に遅刻しそうなのだ。 しかも、まさか自分から言い出した待ち合わせの時間に遅刻するなんて。 つかさはまだしも、柊さんは全力で怒るだろうなぁ。 ……って待てよ。 (あれ? そういえば、つかさの方は名前で呼んでるけど、かがみは……) ここに来て、私はかがみの方だけ苗字で呼んでいることに気が付いていた。 といっても、つかさに紹介されてからまだ一週間も経ってないから、当然と 言えば当然なのかな。 ……よし! 今日からはちゃんと名前で呼ぼうっと。 「ま、それ以前に今回の件を許してもらえるかなぁ。 そこが問題だよ」 再びぽつりと呟いた私をよそに、電車が目的の駅のホームに到着していた。 少しグラリと揺れながら駅のホームに収まった電車のドアが一斉に開く。 と同時に、今日の待ち合わせの相手達が私の目の前に現れていた。 似ているようで全然違う特徴を持った双子の姉妹、かがみとつかさだ。 そして、次の瞬間二人と目線が合った。 私はとっさに頭を掻きながら、 「ごめんごめ~ん。 遅れちゃったよ。 朝の準備で少し手間取っちゃってさぁ」 という様な感じで謝っていた。 う~、我ながら下手な言い訳だなぁ。 かがみに至っては相当怒ってるみたいだし。 どうしよう、ここはとりあえず…… 「あ、こなちゃん。 おはよ~」 って、この微妙な空気を完全にスルーですかい! さっすがつかさ。 う~、まあいいや。 これに乗じて、二人に挨拶を…… 「おはよっ、つかさ! あと……。 え~っと、柊さんもおはよ~」 「えっ!? お、おはよう」 あっ、あれぇ~? 何で苗字で呼んじゃったんだろ、私。 やっぱり、一度定着した呼びかたって変えづらいのかな? だけど、かがみの方はどう思ってるのかなぁ。 今だって色々考え込んじゃってるみたいだし。 「どうしたの、お姉ちゃん。 具合でも悪いの?」 いやいやつかさ。 それ多分私のせいだからさ、私の。 よ、よ~し。 それじゃあ今度こそかがみをちゃんと名前で…… 「ううん、なんでもないわよ。 とにかく、早く駅から出ましょ。 じゃないと、ホントに遅刻しちゃうもの」 「そうだね。 それじゃあ急ごっか、こなちゃん」 「はいは~い、柊さんもああ言ってるしね」 ぐわぁ~! 何でまた失敗してるのさ~。 朝日が目に染みるよ、全くさ。 だけど、このままじゃどうしようもないな~。 「よし、それじゃあさっさと急ぐわよ! ……あ、言い忘れてたけど、私今日は学級委員会で遅くなるから、 放課後になったら先に二人で帰っててくれないかな?」 「うん、いいよ~。 ね、こなちゃん」 「えっ? あ……うん」 その後、私はしっかりと自覚できる程もやもやした気持ちで 一日を過ごすことになった。 授業でうっかり寝ていた時も、 チョココロネを食べていた時も、雑誌を見ていた時も、 そのもやもやを拭うことは出来なかったわけで―― 「こなちゃん。 もう放課後だよ、早く帰ろ?」 「ん……。 もう放課後かぁ」 結局、あっという間に放課後になってしまった。 変わった出来事といえば、世界史の授業で居眠りしていた時、 担当の黒井先生にコツンとやられたくらいかな。 でも、あの先生ど~も私と似たような匂いがするんだよね。 今度じっくりと話してみよっかな。 それに…… 「こなちゃん、大丈夫? なんかぼ~っとしてるけど」 「えっ? ああ、大丈夫だよつかさ。 心配しないで。 それより、後は肝心な人を待つだ……」 そう言いかけた瞬間、私は自分の机に両手をついていた。 しまった。 かがみは今日、これから学級委員会に出るんだった。 だから、今日は一緒に帰れないって今朝私たちに言ってたじゃん。 う~、これじゃあかがみとうち解けられないじゃないのさ~。 って待てよ、うちのクラスの方の学級委員って確か…… 「そっ、そうだっ!」 「わっ。 びっくりしたぁ」 「つかさっ! 高良さんってまだ近くにいるでしょ?」 「う、うん。 ていうか、もの凄く近くにいるよ。 ほら」 つかさが反射的に指さしたすぐそこに、彼女はいた。 容姿端麗、品行方正、加えて眼鏡っ娘という、まさに委員長 というキャラがそのまま具現化したような人だった。 どうやら学級委員会で使う資料の準備をしているらしく、 机の中から数枚のプリントを出して鞄に入れているのが見えた。 「高良さ~ん。 ちょっと頼みたいことがあるんだけど」 おもむろに高良さんの机に向かって呼びかけてみる。 すると高良さんは少し申し訳なさそうに左手を頬に 当てながら、私の方に振り向いていた。 「すみません、泉さん。 これから委員会がありますので、 ご要望にお応え出来ない可能性が……」 「いやいや~、そんなに考え込まなくたって大丈夫だよ。 その委員会に出てもらうっていうのが重要なんだから」 「えっ、そうなんですか? それなら大丈夫かもしれませんが……」 高良さんは、呆気にとられた様な表情で私を見つめていた。 ま、仕方ないよね。 私だって今の今までこんなこと考えつきも しなかったんだから。 さて、後は…… 「あ、あとつかさにもお願いしたいことがあるんだけど」 「いいよ~。 私に出来ることがあったら、何でもするよぉ」 「ありがとっ、つかさ。 それじゃあ本題に入るね。 実は……」 今さっき思いついた妙案を二人に説明していく私。 春眠を繰り返していた授業中も、このくらい頭が回ればいいのに。 「ていう訳なんだよ。 どうかな?」 「うん、いいよ~。 お姉ちゃんとこなちゃんの為だもん」 「ええ。 そういうことならお力になりますよ」 「ありがと~、二人とも。 恩に着るよ。 それじゃあ早速行動開始だぁ!」 今考えると、この頃の自分はものすごく照れていたんだと思う。 だって、二人にこんな無茶な頼み事をしてまで、かがみと話す 機会を作ろうとしていたのだから―― 「遅いなぁ、高良さん。 何かあったのかな?」 行動を開始してから約一時間後、学級委員会が行われていた 会議室の廊下の壁に寄りかかっている私がいた。 そして、さっき閃いたこの作戦についての概要を確認してみる。 私が考えた作戦はこうだ。 まず高良さんには委員会が行われる 会議室でかがみをほんの少しだけ足止めしてもらう。 そして頃合いを見て高良さんの方が先に会議室を出てその直後に 私が中に突入して二人きり。 といった感じだ。 そして、つかさには予定通り先に帰ってもらうことにした。 明日になったらたくさんお礼を言わなきゃね。 (そんでもって、後は私がちゃんとしなきゃね、よしっ) ぐっと右手を握りしめて改めて気合いを入れ直す。 そんな最中、目標の会議室のドアが静かに開き、 中から出てきた高良さんと目が合っていた。 私は、握りしめたままの拳を素早くパーの形に戻し、 そろそろと高良さんに近づき、ひそひそと話しかけた。 「どう、うまくいった?」 「ええ。 かがみさんはまだ会議室の中にいらっしゃいますよ。 ですが、私はこれといってなにかしたわけでは……。 実を言うと、かがみさんの方から私に話しかけて来てくれましたので」 「あ、そうだったんだ~。 それで、どんな話をしたわけ?」 私がそう聞き返すと同時に、高良さんは少し複雑そうな顔をしながら、 なにやら考え込んでしまった。 しかし、それからジャスト五秒後。 高良さんは急に元の笑顔に戻ると、 「ふふっ、秘密です」 と言いながら、人差し指を唇に軽く当てていた。 ……何か、ものすごい勢いで誤魔化されたような気がする。 だけど、そんな満面の笑顔でそんなこと言われたら、 逆に聞き返せないじゃないか~。 まあ、ここまで真剣に 協力してくれたんだし、いちいち確認するのも失礼ってもんだよね。 「……よぉ~しっ! じゃあそろそろ行ってくるよ」 「頑張って下さいね、泉さん」 「うん! 色々ありがとねっ」 ぶんぶんと手を振って高良さんに別れを告げた私は、 足早に目の前にある会議室のドアに手をかけた。 刹那、言葉では表現できない緊張感に襲われ、私は唾を飲み込んだ。 この先に、かがみがいる。 ごく最近に知り合ったばかりの新しい友達。 だけど、迷っている暇なんてない。 前に進まなきゃ。 そう思った瞬間、 私はドアを開けていた。 と同時に、正面からかがみの声が聞こえていた。 「い、泉さん?」 「あっ。 やっと見つけたよ~」 うっ、いきなり第一声が、『見つけたよ~』 はまずかったかな。 何かもの凄い違和感が。 「見つけた~もなにもないわよ。 つかさと一緒に帰ったんじゃなかったの?」 「いや~、なんとな~く柊さんのことが気になったと いうかなんというか……。 あ、ちゃんとつかさには 事情を説明してきたから、心配しなくていいからね」 懲りずに名前で呼んでしまっている自分がいたが、 話題を維持するので精一杯でそれどころでは無い。 それに、朝の時は悪い思いさせちゃっただろうし、 ここは正直に…… 「まぁ~、なんて言うのかねぇ。 朝の時の柊さん、 少し様子がおかしかったからさ。 それで……」 「えっ? それでこんな時間になるまで私を待ってたわけ!?」 私自身、まさかこんなに時間がかかるとは思ってもいなかった。 ま、こうやってちゃんと話せているんだから時間なんて関係ないよね。 ……ゴールデンタイムのアニメだってちゃんと録画予約頼んできたし。 「ま、そういうことになるよね。 思ってたより待たされちゃったけど」 「なるほど、そういうことだったわけね。 だけど、つかさには改めて説明してあげた方がいいわよ。 あの子だって、泉さんと帰るの楽しみにしてたハズだから」 「うっ…… そうだね、つかさには明日話しておくよ」 ……かがみの言う通りだった。 私一人のわがままのせいで、 こんなことになっちゃったんだし。 ううっ、ダメダメだよね、私。 一方、かがみの方はというと、顔を曇らせたままの私をじっと 見つめた後、ふうっと息を吐きながら静かに喋り出していた。 「……まっ、ちゃんとわかってくれたみたいだし、 朝のことも含めて全部許してあげよっかな」 「えっ、ホント!?」 瞬間、自分の顔が一気に綻んでいくのを感じた。 それだけ、かがみがかけてくれたその一言が、 嬉しくてたまらなかったってことなのかな。 「うん。 だから、もう帰りましょ」 「そうだね。 それじゃあ、早くバス停に行かなくちゃ。 もうすぐ、バス来ちゃうもん」 「……」 さりげなく歩き出しながら伝えた私の言葉に対して、 不思議とかがみからのリアクションが無かった。 振り返ってかがみを見てみると、青紫色の瞳を宙に 浮かせたまま、何やら物思いにふけっているようだった。 「どったの? ぼ~っとしちゃってさ。 早くしないと置いてっちゃうぞ~」 「あ、ちょっと待ちなさいよ~」 私の一言で我に返ったかがみは、急いで鞄を 持ち直しながら、歩幅を合わせて一緒に歩き始めてくれていた。 そんなかがみのさりげない行動に優しさを感じながら、 私達はスクールバスの発車所へ向かうのであった…… 「ふう、やっと駅まで来れたわね」 「そだね~。 結構時間かかったよね」 傾きかけた夕日が斜めに差し込み始めた頃、私は駅の ホームに立っている柱に身を預けながらかがみと話していた。 ホームの周りは帰宅ラッシュの影響でにわかに混み始め、 朝の時とは違った雰囲気に包まれていた。 (それにしてもかがみって、アニメや漫画の話には少し疎いみたいだね。 ……ふふ、まあこれからちょっとずつレクチャーしてけばいいかっ) 自分が乗ろうとしている電車の案内放送を聞きながら、 バスの中でのかがみとの会話を思い出し、自然と頬が緩む。 だけど、もうすぐお別れだ。 なんか寂しい。 「んじゃ私、この電車に乗ってくからさ。 柊さんも、気をつけて帰ってね」 「あ、うん……」 それに、結局かがみのことを名前で呼べなかった。 何度も勇気を出そうとしてるのに。 だから私は…… 「こっ、こなたっ!」 「えっ?」 一瞬、時が止まった。 柱に密着させている背中がじんと熱くなる。 予想外の言葉。 その言葉の力に影響された私は、ただ呆然と 立ちつくすしか選択肢がなかった。 「あっ、明日は、ちゃんと遅れずに来なさいよね。 そうしてくれないと、私やつかさが困るんだから!」 駅の雑踏がさらに増していく中、かがみは緊張した素振りを 一切隠すことなく、か細く声を震わせながら私に向かって喋っていた。 (そっか。 かがみも私と同じ気持ちだったんだ……) 途端、自分の頬が赤く染まっていくのがわかった。 だけど、それ以上にかがみが私のことを名前で呼んでくれた ことが嬉しくて、私はいつものテンションで返事を返すことにした。 「そうだね、今度はちゃんと早起きするよ。 それに――」 そこまで言いかけた時、電車がホームに到着していた。 騒音が辺りに響き、思考が一時中断される。 だけど、一度伝えようとした気持ちは止まることはなく、 私は躊躇することなく息を吸い込んだ。 「それに、これから楽しくなりそうだよね! できれば、来年は同じクラスにでもなって 一緒にいられたら、いいよね!」 ここで、一旦息継ぎ。 後は、さよならの挨拶だ。 「ま、来年の話だけどさ。 あっ、それじゃあ私は先にこの電車で帰るから」 「えっ。 あ、ちょっと!」 たった今自分が言ったことに恥じらいを感じながら、 私は目の前の電車に飛び乗る体制に入った。 ……そういえば、今かがみが何か驚いてたような? よ~し、それならもっと驚かしてあげなきゃね。 そう決意した私は、車内に入ると同時にくるりとかがみの 方を向いた。 そして、今までどうしても伝えられなかったかった 言葉を、初めて口に出していた。 「う~んと、今日は楽しかったよ、色々話せてさ。 ――それじゃあまた明日ね、かがみっ!」 「あっ……」 次の瞬間、私の中のもやもやは完全に消えていた。 もしかしたら、それはかがみにも同じことが言えてるのかな。 だってさ。 かがみの顔、すっごい幸せそうなんだもん。 ふと気が付くと、かがみが私のことをじ~っと見つめていた。 そして、言葉が紡がれる。 私たちだけの、さよならの挨拶。 「うん。 また明日ね、こなたっ」 かがみの優しい声が聞こえたのとほぼ同時に、電車のドアが閉まっていた。 そして、ホームにいるかがみの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。 発車時に電車の中にあったざわめきはだんだんと消え始め、私は 朝と同じようにつり革に揺られながら、今日の出来事を振り返っていた。 (かがみ……か。 これから長い付き合いになりそうだね。 あ、もしかしたらかがみの方もそう思ってたりしてねっ) ―――――――――――――――――――――――――――――――― そして、その予感は見事に的中。 まあ、大学二年生になってまで、 こんなに密着しながら一緒に寝ることになるとは思ってなかったけどね。 ……結局、今思うとこの頃からかがみフラグ全開で立ててたんだね、私。 そう考えると、多分この夢を見たことは偶然なんかじゃない。 だって、おかげではっきりしたもん。 私の、本当の気持ちがさ。 夢の果てに得たものは(後)へ続く コメントフォーム 名前 コメント
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ふた☆こな ~かがみ~(新)はこちら 「大丈夫だよ。ちゃあんとかがみんをイかせてあげるから♪」 それから、どれくらいの時間が経過したか。 「――脱がしっこするのが、ヒロインとのHイベントで一番盛り上がるシーンなの」 そうやってお互いの服を脱がせ合い、ベッドの上で全裸となったこなたとかがみは――横になって寄り添ってからこっち、お互いの愛情の分かち合いとばかりに、キスを繰り出し続けていた。 それこそ、プロフィールの「好きな食べ物」の欄に、「キス」と迷い無く書いてしまいそうなほどの勢いで。 「ちゅう、ちゅうう……ぷあっ、はあ……かがみってホント、キス好きだよね」 尖らせた唇をどちらともなく積極的に突つき合わせ――。 「んちゅ、にゅちゅ……っん、あ……あんたには敵わないわよ、この甘えんぼ」 突つき合わせていた唇を、ついばむように食み合い――。 「甘えんぼじゃないもん……んん~っ、ぢゅちゅうううっ、ぢゅっ、ちゅうう……っ」 食み合っていた唇を大きく開き、角度を変えて薄膜を密着させ――。 「その口が言うか……んくっ、んむぅ……ぢゅるっ、ぢゅっ、ちゅうっ、ちゅむ……っ」 密着した薄膜、その口腔内で、仲良く唾液を飲み合って――。 「んんっ、んくっ、んむむっ!……ふはっ、はむっ……んぐっ、んんっ!ぢゅぢゅっ、ぢゅるる……っ!」 「んぐっ、んぅっ、んぷぁっ……あむっ!……んっ!んんっ!んぢゅっ!ぢゅるるぅぅ……っ!」 かがみもこなたも、愛おしさで胸がいっぱいになり――キスによるじゃれ合いは、さらに熱とねちっこさを増していく。 「はあ、はあ……」 「ふう、ふう……」 やがて濃厚な粘膜同士の愛撫を終えた頃には、二人ともすっかり息が上がり――熱く艶めく唇は、すっかり性感帯と化していた。 「…………」 「…………」 「……あの、こなた……」 「……ん……?」 「キスもいいんだけど、その……そろそろ始めない……?」 「そうだね……このまま続けたら……キスだけで、全部、事足りちゃいそう」 かがみとこなたは上気した顔で見つめ合い、照れ臭そうにはにかみ合った。 「「(私達……どんだけキスが好きなんだか)」」 ふた☆こな ~かがみ2~ 仰向けの姿勢となったかがみの上に四つん這いの姿勢で覆いかぶさると、こなたは首筋に唇を寄せた。 「あん……あっ、あん……んん……」 くすぐったそうにむずがるかがみを横目に、こなたの舌は鎖骨のくぼみを這い、なだらかな曲線を描く乳房へと辿る。 柔らかい隆起に片っ端からキスを撃ち込み、ねろねろと舌で舐めずり、肌に悦びを摺り込んでいく。 「こうして、かがみのおっぱいを独り占めできるなんて……私は埼玉一の果報者だよ~」 「微妙に狭いな……それは喜んでいいのか?」 「当然!自慢していいよ」 「どうやってだ」 こなたは幸せそうに頬を朱に染め、夢中になって乳房への愛撫を続けていった。 ほどよい丸みと膨らみを帯びた乳輪、きれいな桜色のぷっくり尖った乳首、可愛いへそ……。 執拗なまでのこなたのキス攻撃は、だんだんとかがみの身体を降りて行き――ついに、太ももの付け根にまで到達する。 「んふ……んん……ん~……」 性毛にかかるこなたの吐息にむず痒さを感じ、かがみはかすかに鼻声を鳴らす。 と――。 「ね、かがみ……」 「ん……?」 「アソコ舐めてあげるからさ……自分で脚、持ち上げて」 「うん…………って……え、ええっ!?」 先ほどまでの、甘やかな時間はどこへやら。 かがみは思わず声を上げ、がばっと上体を起こした。 「お願いだよ、かがみ~脚上げてくれないと、舐められないんだよ~」 「あ、脚を持って、て……あ、あのポーズ!?」 「ピンポーン」 おそらくかがみが想像しているであろう『あのポーズ』に、正解を送るこなた。 「そだよ~。いやあ、アソコの毛が手強くってさあ。なかなか秘境に辿り着けないんだよね~」 「そんなに毛深くねえよ!どこの密林だよ!」 「えっと……かが密林?」 「名付けるな!あ、いやまあ……思わず振っちゃったのは私の方だけど……」 「とにかく……お願いだよぅ、かがみぃ……」 「うっ……」 いつもより2割増しの可愛らしさで、かがみに迫るこなた。 惚れた弱みか、こなたクオリティの成せる業か、こうなるとかがみは大抵の場合、断る事ができない。 今回も、いつもと同様――。 「うう……わ、分かったわよ……」 赤面しながらも、結局かがみはこなたのお願いを渋々受け入れ――上体を倒すと両膝を抱え、ためらいながらもゆっくりと脚を開いていった。 「んっ……ほ、ほら……」 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 いわゆる、M字開脚の姿勢――秘部はおろか、お尻の穴までさらす格好のかがみに、こなたは、にたぁ~っと、実にいやらしそうな笑みを向ける。 「……もったいぶってる割にはさあ。かがみって……この格好、好きだよね~」 「んなっ!?すっ、好きなんかじゃないわよっ!あんたが、こうしないとできないって言うから……っ!」 「だって、ほらぁ……こんなに、もの欲しそうにヒクついてるじゃん」 ふっくらとしたサーモンピンクの肉襞はてらてらと愛液で塗れ、股間が大きく広げられたためにわずかに左右にくつろぎ――その合わせ目には、パンパンに膨らんだクリトリスが顔を覗かせていた。 肉襞の奥の裂け目は、愛撫をせがむように、ひくひくとざわめいている。 「早く私をいじって下さい――ってさ♪」 「う、うう……」 「素直になって、かがみ。私、かがみを一番気持ち良くさせたいんだ」 かすかに開いた花弁のような肉襞に顔を寄せると、舌を突き出し、つうう……と粘膜の縁取りをなぞり上げる。 「かがみ……気持ち良く、なりたいんでしょ?」 「う……わ、分かったわよ……素直に、なる……」 消え入りそうな声で、こっくりと頷くかがみ。 「だから……気持ち良く、して?」 かがみのおねだりに顔をほころばせると、こなたはふっくらとした秘裂のヒダを食み、包皮を舌先で器用にほじり、クリトリスをちゅうちゅうと吸いつく。 「私、かがみが気持ち良くなるなら、何でもしてあげるよ?はむはむ……かふ、かふ……汗だって舐めてあげるし、匂いだって嗅いであげる……れろれろれろれろ……ん、んん~、っちゅ……ちゅうううう……もちろん、アソコだって、いっぱい感じさせてあげるんだから……」 「んっ、んんっ、こ、こなた……それ……は、恥ずかし過ぎ――んふっ!」 口で巧みに秘部をいじりながら、ねちっこく囁くこなたの言葉に、かがみはぞくりと震え――その途端、膣口から愛液をぷちゅっ、と噴き出した。 「ふふ……かがみんの新鮮なラブジュース、お味はどんなかな~♪」 そう言って、快感から逃げるようにぴくぴくと跳ねるかがみの腰をしっかりと抱え込むと――こなたはかぶりつくように、愛液をたらす秘裂に顔を押し当てた。 「んあっ!っあ、はああ……っ!」 「ぢゅるるるる~~~っ……んくっ……こくっ……はむっ……ぢゅうっ、ぢゅっ、ぢゅううううう……っ」 鼻先を裂け目に押し付け、膣の奥から湧き出す愛液をすすり尽くさんばかりに、大きな水音を立てながら吸い立てる。 「あーっ、あっ、ああっ……あんっ、あっ、あっ……あああんっ!」 こなたの激しい吸引に、かがみは彼女の頭を押さえ、いやいやとかぶりを振った。 「っぷあ……はあ……にへへ、そろそろイキそうかな?かがみん」 「う、うん……」 もじもじしつつ、かがみはこっくりと頷く。 「……だ、だから、あ、あのね?……く、口じゃなくて……えと……その……そろそろ……」 そこでかがみは口ごもり、恥ずかしそうな視線を、ちらちらとこなたに送る。 何が言いたいか分かるでしょ……――察しなさいよっ、と言わんばかりに。 「……――オッケ」 かがみの気持ちを汲んだのか、こなたは膣口から口を離す――安堵に、小さく息をつくかがみ。 すると今度は、こなたは中指と薬指をねぶり――それをおもむろに、かがみの膣内めがけて突っ込んだ。 「ひああっ!――えっ!?ちっ、ちがっ……こなたぁっ!」 「ん~?だって、イきたいんでしょ?指で」 慌てふためくかがりを尻目に、こなたは白々しくとぼけながら、ちゃぐっ、ちゃぐっ、と、乱暴に膣内を掻き回す。 「やああああああっ!ちょ、こなっ、待……っ!……ゆ、指じゃなくてっ!……あっ、あんたので、イッ、イキたいのぉ……っ!」 眉根を寄せ、せり上がる快楽の奔流に耐えながらも、かがみは何とか訴える。 「最初からそう言えばいいのに――素直に、って言ったでしょ」 こなたはそこでようやく、ぬるんっ――と、かがみの膣口から指を引き抜いた。 ひくひくと揺れる秘唇からは大量の愛液が流れ、尻を伝ってシーツに染み込んでいく。 「お、お願い……こなたぁ……焦らしちゃ、いやぁ……っ」 潤んだ目を向け、かがみは半ば涙声でこなたに哀願する。 そんな態度にぞくぞくと嗜虐心をそそられながら――こなたは余裕のない恋人に、穏やかな表情で笑いかける。 「分かったよ。じゃあ――」 そう言いながらこなたはかがみの股間に腰を割り込ませる。 力をすっかりと取り戻し、太ましく漲る肉棒に左手を添えると、その赤黒い先端をくったりと開いた膣口に浅く潜らせ――ふと、その動きを止めてしまう。 「……?……こな、た……?どうし――」 一向に動こうとしないこなたを、かがみは不思議そうに見つめ――ようやく意図を掴み、声を上げた。 「……まさか……」 「そのまさかだよ、かがみん。さ! す な お に おねだりして♪」 「………………」 や は り そ う く る か 。 催促するこなたを、ジト目で睨み付けるかがみ。 しかしこなたは至って涼しい顔で、かがみの膣口をくちゅくちゅと、強張ったペニスでなぞり続ける。 「ほら、早く。言わないと入れてあげないよ~?」 「………………」 「ほらほらぁ~」 「………………私、の」 「ん~?」 「……わ、私の……オ、オ、オマ、ン……」 「聞こえな~い」 粘膜を攻める手を休めず、ニヤニヤと笑みを浮かべるこなた。 「――っ!……あ、後でヒドイからな……っ!」 耳まで真っ赤にしながら、かがみは眉間にしわを寄せて顔を反らすも――敏感な粘膜から来る甘い性感に耐え切れず、ヤケを起こすように口を開いた。 「私のオ、オマンコに、こなたのおちんちん入れて……!って、ああもうっ、言わせるなよ、バカッ!」 「ああんっ、もう!可愛過ぎるよ、かがみん……ありがとじゅしたっ!――ではでは……っ♪」 こなたは嬉しそうにかがみの脚に両手を添えると、ゆっくりと腰を落としていった。 「……いっぱい、気持ち良くなろうね、かがみ……♪」 にちっ……にゅぐ、ぐ…… 「~~~っふあ、あああ、あ、あ~……入ってくるぅ……♪」 パンパンに膨らんだ亀頭で膣口を割り広げられると――かがみは相好を崩し、歓喜の声を上げる。 とろけそうなかがみの顔を見て、こなたは小さく微笑み――腰を一気に進めた。 ぐぷぷぷぷぷっ! 「あいいいいいいっ!」 無遠慮なこなたの突然の進入に、無防備だったかがみは思わずびくんっ、と背を反らす。 根元まで呑み込まれたこなたのペニスは、窮屈な膣壁をキツキツに拡張し、その最奥にあるかがみの子宮口を軽く押し上げた。 「――っは、はああ……っ」 「……にゅふふ。軽くイッっちゃった?オマンコのお肉、きゅんきゅんってしてるよ♪」 ピクピクと震えるかがみを、にんまり顔のこなたが見下ろす。 「あっ……あんたは……っんもう……っ!」 完全に不意をつかれた格好のかがみ。 しかし拗ねた口調とは裏腹に、その声は甘えるような響きを含んでいた。 「ごめんってば。じゃあ、動くね」 お詫びの気持ちを態度で示そうと、こなたはゆっくりと腰の動きを開始した。 ぐぢゅっ、ぬぢゅっ、ぶぢゅっ、ぢゅちっ ペニスの全長を使った、丁寧なストロークの前後運動に、腰をグリグリと振って、膣内を掻き回す円運動。 アクセントとして時折、最奥をぐにぐにと小突くのも忘れない。 そうして、こなたは肉棒を扱かれ、かがみは体内を撹拌され――二人は互いに、目の眩むような快楽に酔いしれていった。 「ふっ、ふっ、んっ、んんっ、んっ……!ふにゃあああ……気持ち良い……いいよぅ……っ!」 「あっ、あん、あん……ふふっ、どうしたの、こなた?だらしない声上げちゃって……さっきまでの余裕は、どこにいったのかな?」 「だっ、だってさ……かがみのエロマンコ、私のおちんぽにいっぱいすがり付いてきて……フェラチオみたいに、にゅぽにゅぽって、沢山しゃぶってくるんだもん……っ!」 「お、おま……っ!?エ、エエエ、エロ発言、禁止ーーーっ!」 こなたのはしたない言葉の連発に、淫語抵抗値の低いかがみの顔面が瞬時に茹で上がる。 イニシアティブを取れると踏んで、言ったつもりがとんだヤブヘビだった。 「ふふんっ♪かがみの考えてる事なんて、お見通しだよっ……カマかけ失敗して、返り討ちにあうかがみ萌え~♪」 「うう、うるっさい……っ!もう……っ」 「えへへ……」 「……ふふふっ」 「あはは……続けよっか……」 「うん……」 睦言を交わし、幸せそうに微笑みあう、こなたとかがみ。 仲睦まじいおしゃべりは精神的潤滑油の役割を果たし、性器同士による濃密なスキンシップは、お互いの身体を――より一層、欲張りにさせた。 「んっ、んんっ、ふんんっ……かがみぃ、ピストン強くして、いーい?ふっ、ふうっ、んっ……いーい?」 「あっ、あんっ、んんっ……い、いい、よ……あんたの、好きにして……いい、から……っあうんんっ!」 焦れったそうにおねだりをするこなたに、かがみは揺さぶられながら頷く――と、その返事を待つや否や、俄然と腰を振り立てた。 ぱんっ、ぱんっ、と肌が打ち合う音も大きくなり、ぐちゅぐちゅと粘り気を含んだ水音も、淫らに部屋中に響きわたった。 「んああっ、あんっ、あはっ……もっと、強くしていいよ、こなた……んんっ!……あ、わ……私のオ、オマンコ……あんんっ……いっぱい、突いて……っ!」 「……かがみ……うんっ……!もっといっぱい、してあげる……っ!」 ぐぷっ!ぐぷっ!ぐぷっ!ぐぷっ!ぐぷっ! 小柄で華奢な体躯からは想像もつかない、力強く荒々しいピストン運動。 そんな、全身を使って抽送を繰り出すこなたの姿に、かがみの胸は嬉しさでじんわりと熱を帯び、次第に嬌声の音量を上げていく。 「あんっ!あっ、あっ、んあああっ!こなたぁ……い、いいっ、気持ち良いいい……っ!」 「あふっ、んあっ、あくっ!……私も、気持ち良い……!気持ち良いよ、かがみぃ……っ!」 すでに二人の顔には、睦言を交わし合っていた時の笑顔は無く――こなたは、たやすく持って行かれてしまいそうになる理性を留めようと眉をしかめ、かがみは、子宮から中枢へと送り込まれてくる濃密な性感に震え、まぶたをきつく閉じてよがり泣く。 「こなたぁ……キス……キス、してぇ……っ」 「うんっ、かがみぃ……んっ、んんん……っ!」 鼻でよがるかがみのおねだりに、こなたはピストンのリズムを速めながら応える。 ぶつけるように唇を重ね、唾液をすすり合い、舌を絡ませ、突っつき合う。 「んふっ、んむっ、んむっ、ぢゅるるっ、んんっ……ぷあっ、はあっ、ああっ、こなたっ、こなたぁ……っ!」 「んんっ、んっ、んむぅっ、んぢゅっ、ぢゅうう……っあ、かがみっ、かがみぃ……っ!」 むさぼる様なキスをしながらのピストン運動は、二人をいやおう無く高みへと導いていった。 「イッちゃうっ、こなたっ、わたしっ、もうっ、イ、き……そお……っ!」 「待って……私も、もう少しで、イく、からぁ……っ!」 かがみはこなたの肩にしがみ付き、独り占めをするように腰に脚を絡める。 射精を促すように膣壁がぜん動を繰り返し、ペニスを締め付ける回数をだんだんと増やしていく。 「早くぅ、こなたの精液……っ、オマンコの中、にぃ……っ!」 「待って……もう少しっ、ホントに、もう少しだから……っ!」 ごちゅっ、ごちゅっ、と生硬い子宮口を、勃起しきりの肉棒でたらめに叩きまくる。 「ひいっ!ひっ、ひっ、ひいいっ!こなたっ、もうらめ……らめえええええーーーーーーっ!」 断続的に発した悲鳴のような嬌声も、その間隔が次第に縮まり、ついに――その時を迎えた。 「イく、う……っ!――っ!――っ!ああ、あ……ああああああーーーーーーっ!」 絶頂と共に、かがみの膣内が、こなたのペニスを握り潰さんとばかりに一斉に収縮する。 「かが、みぃ――っあ――あ、ああ……っ!」 そして、いかな剛直とはいえ、最強の膣圧に抗う術は無く。 射精欲が一気に昂まり、ついに――延髄を蹴り飛ばされるような凄まじい衝撃に、こなたの腰は大きく震える。 それを合図とばかりに、ぐつぐつの精液が管を駆け抜け、我先にと出口へ殺到し――。 「あ、く……んっ、んんんんっ!」 びゅるるるるううううーーーーーーっ!! かがみの子宮口めがけ、こなたのペニスは盛大に精液を噴き出した。 「あああっ!凄っ、しゅごく出てるっ!せーえきっ!せっ……ひいっ、ひいいいい……っ!」 「かっ、かがみぃ、まだだよっ……もっと、もっとぉ……っ!」 びゅぐっ!びゅぐっ!びゅぶぶぶっ! 絶頂を来たしたかがみの子宮口を、脈動の度に噴出する精液はなおも叩き続ける。 こなたはかがみの腰を強く引き寄せ、最奥へと送り込もうとする。 「こなたっ、らめぇっ……わたひ、またイくっ!イク、イクイクッ……あっ、あっ、あっああああ~~~っ!」 全身をぴぃん、と仰け反らせ、かがみは押し寄せる絶頂の波を享受していく。 「ああ――あっ――は、あ…………っ!」 ストロボのように強い光が、かがみのまぶたの裏に次々と瞬き――藍色の瞳は焦点を定められず、視線は虚ろに宙を漂わせる。 びゅぐぐ……びゅ……っ おびただしい量の精液は愛液と混ざり合い、肉竿と膣壁のわずかな隙間へと染み渡っていく。 あくっ、はくっ、と大きく喘いでいたかがみも、ようやく身体を弛緩させてベッドに身を沈め――眉間に深いしわを刻み、精液を注ぎ続けていたこなたも脱力し、かがみの胸に倒れ込んだ。 「――っはあ……はあ……はあ……っん、は……はあ……はああ……」 「ふう……ふう……ふう……ふにぃ~~~……あ、ごめん……重くしちゃってるね……」 荒い呼吸を繰り返すかがみの胸に顔をうずめていたこなたは、脇にどこうと身体を起こす――と、その背中に、かがみの両手がそっと回された。 「別に重くないから……もう少し、このままでいて……」 「あ……うん……」 背中や髪をさわさわと撫で回されると、こなたはうっとりした表情で、再びかがみの胸に上体を預ける。 甘美な余韻の前では、疲労感や倦怠感すら心地良く感じられた。 「……こなた」 「ん……?」 「ふふっ……こなた」 「なぁに?」 「言ってみただけ」 上を見やれば、ほこほこと幸せ心地にたっぷり浸ったかがみの顔が。 デレ期、ここに極まるといった感じだ。 「何それ……ふふふっ」 可笑しそうに相好をゆるめ、こなたはうんしょと身体を少し移動させ、かがみの顔に迫る。 ――ぢゅぽ、ん……どろぉ……っ やんわりと萎縮を始めたペニスがかがみの膣内から抜け落ち、ほどなく――ダマのようにこってりとした精液が、ほころんだ膣口からこぼれ出し、たちまちシーツに大きなシミを作った。 「相変わらず……いっぱい出したな……」 「うん……かがみの中、気持ち良かったから……ね、かがみも、気持ち良かった……?」 「ん……」 「イけた……?」 「……」 「……?かがみ……?」 「……もー。いちいち聞くなよ、そんなの……」 照れ臭そうにかがみは言うと、こなたの肩を抱き寄せ、そのまま唇を塞いだ。 驚きで強張ったこなたの顔は――しかしすぐさま、とろん……と溶け、たちまち安堵感の吐息を漏らす。 「ん……ちゅ。これが答えじゃ、ダメか……?」 「……あ。え、と……えへへ……満点の答えだよ」 不意打ちのキスに、こなたも照れ臭そうに微笑み――今度はご満悦といった表情で、自分からかがみに口付けた。 小首を傾げ、お互いのお気に入りの角度で、ぴったりと吸い付き合う。 「ちゅ、ぷ……ふぅ……やっぱり敵わないなあ……」 「……ん……何が……?」 「結局最後まで、かがみんが主導権を握っていたんだなーって事っ」 「そうかな」 「そうだよ」 「……もうどっちでもいいよ、主導権なんて……あんたと一緒に気持ち良くなれたから……」 「うん……そだね……ねえ、かがみ……私、かがみの事……好き」 「何だよ今さら……私も、こなたが好きだよ……」 「うふふ……大好き」 「私も大好きだって」 「私の方が、ずっと、いっぱい好きだもん」 「なに意地になってんだよ……ほんとに子供だな……」 「むうー……」 「むくれるなよ……わかったわかった、あんたの愛の方が上だよ」 「やたっ♪んふふ……っ」 子猫同士がじゃれあう様に、二人は身体を絡ませる。 こなたはかがみの頬に頬擦りしながら、鼻にかかった可愛い甘声を漏らし――かがみはこなたの頭を撫でながら、うっとりした囁き声を漏らす。 二人の身体を満たす愛しさや温もりが、まさに夢のような心地良さをもたらしていく。 「……ねえ、かがみ……これからも、ずっと一緒だよ……」 「うん……」 「ずっと……ずっと、いっしょ……」 「ん……ずっと……ずっと一緒だ……こなた……」 そんな、ぬるま湯にぷかぷかと漂っているかのような浮遊感の中――二人はそのまま、ゆっくりと意識を手放し、深い眠りへと落ちていった。 ~了~ コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-30 18 39 43) ( ・∀・)イイ!! ふたなりっていいね。 -- あぐにゃ (2012-10-09 16 38 55) 激しいのに なんだこの甘い感じは -- 名無しさん (2010-03-25 16 49 33) ぎゃああああああああすげええええええwwwwwwwwwwかがみこれで子供できるなw -- 名無しさん (2009-01-11 11 45 26) 2828ですなぁ〜w -- 名無しさん (2009-01-03 20 34 42) エロ過ぎw -- 名無しさん (2009-01-02 22 34 33) 幸せなエロスだなぁ。読んでで2828が止まらなかったw -- 名無しさん (2008-07-15 23 03 35) ふたなりかがみ×こなたで希望!!! -- 名無しさん (2008-07-13 19 25 56) ふた☆こなと、せん☆ずりが繋がっているかどうかは、ご想像にお任せします。って事でw コメントを下さった皆様、有難うございます。 -- ふた☆自重 (2008-05-16 19 39 16) うーん、GJwwwふた☆こなはせん☆ずりでひと悶着あったあとの幸せな 二人な感じです。いや、二つが繋がってるのかはわかりませんがw ともかく、いいエロスでした!!!wwww -- 名無しさん (2008-05-04 14 31 26) テラエロスwww だがそれがいいwww -- 名無しさん (2008-04-13 06 47 09) うぉぉぉぉおおお 続編希望するっ ! -- 名無しさん (2008-04-12 19 18 40) これがホントのエロ可愛い!? -- フウリ (2008-04-08 00 05 31)
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「かっがみーん♪かっがみーん♪」 4時限目が終了、そしてお昼休み。 私はかがみを迎えるべく3年C組へと歩いていた。 ―ガラガラッ― 教室の扉を空けるとツインテールうさぎ発見! 「かっがみ~~ん♪」 目標を捉えた私は秒速15mで標的に飛び込んだ。 まさに瞬殺♪ 「だあああっ!ビックリさせんな!ってか抱き付くなぁああー!!」 「かがみんお昼ご飯食べよー♪」 「まったく…言われなくたってそっちに行くわよ。なんでわざわざ迎えに来るのよ?」 「嫁を迎えに来るのが夫の仕事だと思わんかね?」 「誰があんたの嫁かぁあー!!」 ――――――――――― さて、そんなわけで昼食時間。 今日のお弁当はカレーだ。 「あれ、こなた。今日はお弁当?」 「あー、カレーだぁ。こなちゃん美味しそうだねー」 「ふっふっ、前回のリベンジだよ」 「以前カレーを作った時は一晩で腐らせてしまったと聞きましたが、 結局何が原因だったのでしょう?」 「ふっふっ、前回はね。牛乳を入れていたのだよ」 「ぎゅ、牛乳~!?あんたそんなもの混ぜてたの?」 「こなちゃん、カレーに牛乳なんて入れるの~?」 「牛乳にカレーが合うという話は聞いたことが無いですが…」 「ふふーん♪隠し味で入れると辛さと臭みが溶け合って美味しくなるんだよー」 「ほんと~?こなちゃん、すごーい!!」 「確かに、味の深みが広がる気がしますね、。」 「…で、その牛乳のせいで腐ってしまったと。」 「うん。だから今日のはお弁当用に牛乳無しで作ったんだ」 「へぇー上手に出来てるじゃない」 「かがみ。はい、あ~ん♪」 「ん?―ぱくっ。…モグモグ」 ……!? 「(…お、お姉ちゃん、何で普通に食べてるのー?!…)」 「(…か、かがみさん、何で普通に食べてるんですかー?!…)」 「うん、おいしいわよ!」 「やったー♪でも牛乳を入れた特製カレーはもっと美味しいんだよー!」 「へぇー、でも一晩で腐るんじゃお弁当には持って来れないわねー」 「ねぇかがみ、今度家に来る?ご馳走してあげるよ~♪」 「あ、こなちゃん私も牛乳入りのカレー食べてみたーい!」 「私も牛乳を入れたカレーというのは興味ありますね」 「…えーと。みゆきさんとつかさは駄目だよ。このカレーは泉家代々に受け継がれた秘伝のカレーなんだ。 料理に詳しい人には決して食べさせるなという強い仕切たりがあって… と、とにかく二人には食べさせる事が出来ないんだ。ごめんね!」 「(……こなちゃん、どんだけ~……)」 「(……泉さん、そこまでして二人きりになりたいのですか……)」 「で、かがみどう?」 「なんか料理が下手くそだって言われてるみたいで癪だけど… そうね、せっかくだからその秘伝のカレーとやらを食べてみたいわ!」 「よし、じゃあ決まり♪日にちは何時にする~?」 「あんたの都合の良い日でいいわよ。。てか何か悪いわね、わざわざ私のために。」 「いいって、いいって♪かがみもうすぐ誕生日でしょ?私からのお祝いだよー! あ、そうだ。7月6日でいい?7日はかがみん家で誕生日だからその前日♪」 「6日ね、分かったわ!楽しみにしてるわよ?」 「(……こなちゃん、もしかして私も誕生日だって事、忘れてないよね?……)」 「(……泉さん、自分だけ2日祝う魂胆ですか……)」 7月6日に続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-23 19 33 05) 何か見てたらつかささんとみゆきさんが可哀想になってきた -- 名無しさん (2012-10-24 16 46 51) かがみフラグ立ちまくり? -- かがみんラブ (2012-09-20 23 23 53) ぎゅうにゅてww -- 名無しさん (2010-11-14 23 27 37) カレーの腐った謎がやっと解けた。そういうことだったのか… -- 名無しさん (2009-09-22 10 09 00)
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どうやら俺の好きなシチュエーションは冬らしい [´・ω・`] -- 名無しさん (2008-12-07 14 25 13) おおっGJ!! -- 名無しさん (2008-12-07 14 27 40) 寒さってのは、やっぱりその分心の繋がりの暖かさを引き立てるよなぁ。“さりげなく”手をつないでる辺りの描写が素晴しい! -- 通りすがり (2008-12-07 19 05 19) 手袋ないと寒そうーww -- 名無しさん (2008-12-07 23 12 22) だから握っているんじゃないか!ってかばん持つ手か -- 名無しさん (2008-12-07 23 20 03) お久です!なるほど確か前も冬シチュでしたなwかがみは緊張してる顔なのにこなたは余裕で嬉しそうなのがらしいと思ったw -- 名無しさん (2008-12-08 03 42 14) まさかのアク禁神光臨!あなたも週間こなかがにエントリーするんだw -- 名無しさん (2008-12-08 12 37 13) ナイス雰囲気!GJ!! -- 名無しさん (2008-12-09 02 47 52) かがみの腹が妊娠してるように見え…おや、誰か来たようだ -- 名無しさん (2008-12-12 23 59 43) べ、別に太ってる訳じゃないんだからね。妊娠してるだけだから! という妄想をしてしまった。こなたの子か? -- 名無しさん (2008-12-13 00 32 41) そうか!これからあの絵に繋がっていくのか!w -- 名無しさん (2008-12-13 00 51 27) こなた、幸せそう☆。いいなー♪ -- ノン (2008-12-22 18 13 24) 名前 コメント
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「私はこなたの事が好きっ!」 身を引き裂かれるんじゃないかという程の悲痛な声で、彼女はそう告げた。 思えば、コイツとは物心付いた頃からずっと一緒にいた。 気が強くて、なんだかんだ言いながらも世話を焼きたがる存在で、周りからは夫婦だなんだのとからかわれたりもした。 友達というよりも親戚や兄弟に近い付き合いをしていたが、一応、男と女という一定のラインを弁えて付き合って来たという自負はある。 だから、俺とコイツの関係が幼なじみから恋人へと変化するという可能性も大いにあったのかもしれない。――アイツと出逢うほんの一ヶ月前までは。 「…ごめん。俺はお前の気持ちに応える事は出来ない」 「…やっぱり、好きなんだ? あの娘のこと」 「…ああ」 俺が静かにそう告げると、彼女は少し顔を伏せる。 「…そっか。じゃあ、仕方が無いよね…」 「……」 「…ずっと、ずっと好きだった。あんたは気付いていなかったのかも知れないけど、好きな気持ちじゃ誰にも負けないって自信があった。だって、ずっとあんたと一緒に居たんだもん。…でもね、あんたがあの娘と会った時に『運命の出逢いだ』って私に言った時に、初めて私はあんたの事で焦りを感じた。あの娘が私にあんたの事が好きなんだって伝えて来た時には、私の何もかもが奪われるって思った。あんた自身も。私の大好きな日常も…。だから、私は今ここに居るの。…でも、やっぱりダメだった。どれだけ仲が良くても、どれだけの時間を一緒に過ごしても、運命には敵わないんだよ…」 彼女の顔から大粒の涙が零れ落ちる。 だが、今の俺に彼女を抱きしめる資格は無い。 「…ごめん。本当にごめん…」 だから、俺はこうして謝る事しか出来なかった――。 「ふとしたことで~崩れ始めたもの~」 そこまでが私の限界だった。 私は手早くこのシーンをクイックセーブすると、即座にウィンドウを閉じた。 ようやく念願だったメインヒロインの攻略ルートに入ったというのに、私の気分は最悪だった。 正直言って、見るんじゃなかったなと思った。 今の私は、あの幼なじみの娘と同じだから。 どれだけ仲が良くても、どれだけ一緒に過ごしても、運命には敵わない。 それ以前に、私達は同性だ。 ゲームや二次元の世界ならともかく、現実世界でそんな想いが叶うハズが無い。 そんなの分かってる。 そのジレンマの中で、私はかがみと“親友”としていられる道を選択したんだ。 …だからこそ、私はこの局面を、いつもと変わらぬ素振りで乗り越えていかなければならない。 そう思い直した私は、先程終了させたばかりのゲームのプログラムを再び起動させた。 § かがみがあの人から告白され、私が並々ならぬ決意の元に、あの例のメインヒロインの攻略を終えた翌日。 まぁ、案の定というか、考えてた通りの展開というべきか…。 その日は、朝からかがみの機嫌が最高に良かった。 「あー、かがみんや、悪いんだけど今日の英語の宿題写させてくれない?」 「もう。仕方が無いわね。たまには自分でやるように努力しなさいよ?」 …とまあ、こんな感じで私に釘を刺しながらも、かがみはすんなりと宿題のプリントを手渡してきた。 その表情は、私を憂鬱にさせるぐらいにニッコニコとしている。 「…なんか、いつもとテンションが違うね」 「え、ええっ? ま、まぁ…。昨日の今日だしね…」 私のやっかみに対しても、かがみは顔を赤く染めながらも満更でもないといった様子を見せる。 …こんな素敵な表情が、私の為に作られた物じゃないと思うと、ほんの少し嫉妬したくなる。 「聞いてよ、こなちゃん。お姉ちゃんったら、昨日けんちゃんになんて言われたのか教えてくれないんだよ~」 そんな私の劣情を知らないつかさは、やや不満そうな顔を見せて、私とかがみに訴えかける。 「ほー、恥ずかしがらずに言ってごらんよ。かがみ~」 「なっ、なんで、あんた達に伝えなきゃいけないのよ!」 「良いじゃん。別に減るもんじゃないんだしさ」 …本当はそんなの聞きたくないけれど、“親友”という役割を通し切るのなら、“今まで通りの私”を続けるのなら、避けては通れない選択肢だと思った。 かがみは、登校中なのにも関わらず、その場に立ち止まってまで、その時のレポートを期待するつかさと、同じような素振りを見せている私の姿をしばらく見比べ続けると、観念したかのように小さく言葉を紡ぎ始めた。 「…引っ越す前は、俺もまだ幼くて、そんな勇気も無かったから伝えられなかったけれど、離れ離れになって始めて後悔したんだ。後悔しても仕方が無いのにな…。でも、あの日にふとしたことで再会出来た事で、これはそういう運命なんだと思ったんだ。だから、今なら言える。…ずっと好きだった。俺と付き合って欲しい…って」 そこまで言い切ると、恥ずかしさに耐え切れなくなったのか、自分が着ている制服の色と同じぐらい真っ赤に顔を染めたかがみがコンクリートで舗装された道路に視線を落とした。 「けんちゃん、それすっごくかっこいいよ!」 つかさが驚嘆の声を挙げる。 確かに、リアルでそんなギャルゲーのようなドラマティックな告白をするとは…。 不本意ながら私もつかさと同じ事を思ったぐらいだから、直接言われたかがみにとっては相当なインパクトがあっただろう。 やっぱり、私の敵う相手じゃないや…。 そんな諦めと羨望の感情がひしめく中で、私は必死に“いつもと変わらない”表情を作っていた。 § 「じゃあ、私、ここであいつと待ち合わせてるから…」 放課後、糟日部駅に着くや否や、かがみが私達にそう告げてくる。 「うん。頑張ってね! お姉ちゃん」 「頑張って下さい。かがみさん」 「頑張ってって…。どういう意味で頑張れば良いのよ?」 「それはもうアレだよ。18禁的な意味でだね」 「いきなりするかっ! そんなこと!!」 そんなやり取りを交わした後、かがみは私達に別れを告げて、商店街の方へと歩いていった。 私はそんなかがみの後姿を寂しく見つめていた。 朝の一件ですっかり吹っ切れてしまったのか、それ以降のかがみは恋人に関する事に対してそれほど恥ずかしがらなくなっていた。 それどころか、昼休みになると、今度の日曜日にデートに行くけど場所はどこが良いかだの、着て行く服はどうしようかだの、自信は無いけどやっぱりお弁当を作ってあげるべきかどうかといった事を、つかさやみゆきさんはおろか、端から見れば、そういう事にとても疎そうな私にさえ聞いて来る程のノロケっぷりを見せ付けられた始末である。 当然私としては、それが全くといって言いぐらいに面白くない。 仮に、私がかがみに対して抱いている好意を抜きにして、友達という立場から見たとしても、ずっと彼氏の話をされ続けるのだ。それが面白いと感じる訳が無い。 …まぁ、初めて男女のお付き合いというのを経験しているのだから、そっちに集中し過ぎて、つい他の人間関係を蔑ろにしてしまいがちになるなんて事もあるのかもしれない。 頭では一応それも理解している。 でも、それと同時に私の頭の中には恐ろしい未来予想図が描かれつつあったのだ。 ――もしかしたら、これから先もかがみはずっとあのままで、私達の間にあった筈の深い絆が徐々に薄れていって、最後には結局消えてなくなってしまうんじゃないかって…。 通信手段が電話や手紙しか無くて、一度でも音信不通になれば再会するのが難しかった昔と違い、メールやネットが生活の中に当たり前のように定着している今の時代からすれば、それは馬鹿げた話なのかもしれない。 …でも、現に私は、中学時代に凄く仲の良かった例の友達とすら、今では連絡を取り合っていない。 ひょっとしたら、何年か先には、携帯電話のメモリーに登録された「柊かがみ」という名前が、かつて通っていた学校の卒業名簿のように、「その時その場にそんな人が存在していた」という証明にしかならない文字列へと成り果てているんじゃないだろうか? …だとしたら、それで私は幸せなんだろうか? そこまで考えて、ようやく私は気づき始めたのだ。 私の望んでいたハッピーエンドが、私にとってのハッピーエンドじゃないという可能性に――。 そんな恐ろしい考えを振り払おうと、私は電車の四角い窓から空を見上げた。 普段なら見える筈の西の夕焼け空は、私の不安を煽るかのように、黒い雲が全ての光源を遮断していた。 最も甘美な過ちへ コメントフォーム 名前 コメント (/ _ ; )b -- 名無しさん (2023-06-21 08 10 18) 切ない… -- 名無しさん (2010-04-11 20 33 40) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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「はぁ?かがみからの告白?!そんなん外で言い放った日には、 何故か川の水が汚れるそんな代物だよ!」 「ふざけんじゃないわよ、人の告白を公害扱いするな!! いつも蔑んだり、見下した言い方しやがって………目線は見上げているくせに!!」 「!?言ってはならないことを~、こんなこと言う奴はこうしてやる~(ムニ~とかがみの両頬をつねる)。」 「ひゃひひゅんひょよ、ほひゃた~(なにすんのよ、こなた~)(つねられつつも、こなたの両頬をつねり返す)。」 「あの~つかささん?こなたさんとかがみさんどうされたんですか。」 「あっ、ゆきちゃん。こなちゃんがお姉ちゃんに『好きだ』って告白された夢を見たって言ったのに対して、 お姉ちゃんが『まずあんたに告るなんてありえないし、もし逆にアンタからの告白だったらホント はぁ~ガッカリだわ』っていったことでこんな痴話ゲンカになっちゃったんだ。」 「あ~、いつも通りですね。」 「「いひゃへんひゃひゃひゃい~(痴話喧嘩じゃない~)。」」 「…う…ん。」 低反発ベッドマットの適度な弾力をかすかに感じながら、静かに目を開ける。 わずかに昇り始めた朝日が差し込んでいる寝室が目の前にうつる。 そして体を起こし、軽くストレッチをしようとしたところで、 「痛!!」 何かに髪を押さえつけられていたせいか、髪を引っ張られる痛みがはしった。 私の髪を押さえつけていた、その何かとは… 「……ごめんねこなた。どうやら肘で押さえつけていたみたい。」 同じベッドで眠る私の嫁、かがみであった。 「ふふ、こなた。おはよ。」 そう言って私の頬に触れて、軽くキスをする。 ごく自然に行われた親密なスキンシップに軽く照れる。 同じベッドでこんなやり取りをしている私達、 そう恋人同士として付き合っている…というより同棲している。 高校時代はさっき見ていた夢のように、まったくそんな関係など考えもしなかったのに いつの間にかそんな関係になり、ほぼ事実婚な状態になっている。 昨晩なんかベッドの中で……… 「あのさこなた、私ね。なんでこなたを愛するという行動以上のことができないのだろうと思うの。 こんなに愛したいというのに…なんかつらいよ、こなた。」 「かがみ…考えが煮詰まりすぎてわけわからない方向に向かっているよ。 私は最高のヒロインでもあり、ヒーローでもあるかがみの事が大好きだよ。」 そこでかがみからの『ヒーローは余計だ。』ってツッコミを期待していたら、 「ヒーローか…なかなかいいたとえをするわね、こなた。」 「へ!?」 全然違う返しをされ。 「ヒーロー(Hero)という英単語はね、Hを抜かすとエロ(ero)になるのよ。 分かりやすく言うとね、エッチ(H)にうつつを抜かしたヒーロー(Hero)はただのエロ(ero)なのよ、こなた。」 「あの~柊さん???」 かなり斜め下のコメントをされた。 そして… 「というわけでこなた……やさしくするから心配しないでね。」 「え、い、いやかがみん。いや~~~。」 私の身をもってコメントの意味を実感するのであった。 「こなた、今日は昨晩の余韻を味わいつつベッドの上でまったり過ごそうよ。」 「ダメだよ~かがみ。折角の良い陽気なんだから、軽くで良いから外にお出かけしようよ。」 これまた普段の私が言いそうなことを言ったかがみに対し、私がそれじゃだめだよって感じで返す。 私と恋人として付き合うようになってから、どうも休みとかシャキッとする必要がないところだと だらしないところが出てきた。どうも大学に入ってから休日の朝、つかさが先に起きていることが 多くなった頃から徐々に休日の朝はだらしなくなってきたそうな。 これは『俺は人間を辞めるぞ、徐々に~』って感じだろうか?………違うね、うん。 昨晩からかがみんのペースでどうも調子が狂ってしょうがない、そろそろ私のターンを始めますか。 「どっかに?……動物園とか?かわいい動物たくさんいるわね。」 「わんわんわん、にゃ~ん、わんわん、にゃお~ん。」 「保健所じゃないの!!犬と猫しかいないじゃない! 切なそうな顔で見るんじゃないよ。アンタ本当に猫っぽいからかなり切なくなるじゃない。 引き取れないから……もっと悲しそうな顔するんじゃないわよ、引き取って世話してやるから ってそうじゃなくてもっと大型の動物がいるところよ。」 「う~~ワン!!!(大きい鳴き声をあげる)」 「大型犬じゃないの!結局保健所だよ。」 「ニャンコに扮した私を引き取ってくれるなんて、ホントかがみは優しいね。」 「と、当然じゃない、こなたのことが好きなんだから。ね、子猫ちゃん…」 そう言って急に照れが出てきて、顔が赤くなってくるかがみ。 そういうところは変わらないな~かがみんは。 「それじゃかがみ、そろそろ身支度して出かけよ。」 こうして私たちは、着替えをしてブランチを兼ねた散歩しに出かけた。 「ん~、やっぱり今ぐらいの陽気はいいわね。温かくて体の緊張が解けるし。」 「だから言ったじゃんかがみ、外出た方が良いって。 それにしても、開花前の桜の名所って選ぶところがまたなんていうかね……。 しかも隅田川って………川沿いの風はまだ冷たいよ。」 「家出たとき思い出したのよ。そういえば隅田川沿いにTully's出来たらしくって。 そこのテラスから隅田川越しにスカイツリーが見えて、結構見晴らしが良いらしいって。 あと寒さについてはある程度防寒を意識した格好しているから大丈夫よ。」 外に出て、どこに行こうか?って話していたところ、今のようなやりとりから 隅田川沿いにある、隅田公園になった。 ちなみに防寒を意識しているって言ったかがみであったが、 春のほうを強く意識しちゃっているせいか、私よりも薄着である。 そんなことはつゆ知らず目の前にいるかがみは、スカートのラインを不意に乱す風 に気を付けつつ、春色のパンプスで軽快にステップを踏むかのように歩いていた。 私が強引に外に連れ出したにもかかわらず、連れ出された方がなんだか楽しそうだ。 冬の冷たい空気の名残がありつつも、ポカポカ陽気になってきており、室内に篭りがちな季節から一転し ウキウキして気持ちが外に向く季節に近づいているからわかる気がする。 実際インドア派の私でも今日は来てよかったと思えるくらい心地よく感じている。 そうこうしている内に隅田公園の川沿いのTully'sに着いた。 そこでクロワッサンセットとホットドッグセットを買い、偶然空いていたテラス席に座った。 目の前にあるアサヒビールの「う○こビル」と並ぶスカイツリーを眺めつつ、コーヒーを一口飲む。 ロケーションが良く雲ひとつない爽やかな気候で、心地よく川風に吹かれ充実した気分を味わう。 そんなふうに浸っていると、かがみが話しかけてきた。 「こなた~。」 「な~に?」 「えへへ、呼んだだけ~。」 「もう、いったい何なのさ。」 一体なんなんだか。そんな風に思っているとまた呼ばれた。 「こなた~。」 「また何~。」 「大好き!!」 「え!(カーっと顔が赤くなる)」 予期していない、言動にかなりドギマギしている私。 本当に唐突すぎてまったく対応できていない。 「どした~こなた。もしかして私からの告白のせいで目の前の隅田川が汚れでもしたか~。」 「ち、違っ、ちょ、え~。」 「ちょっと、少しはまともにかえしてきなさいよ~。」 「急に何?え?どうしたの??」 「どうしたのって、ただ気持ちを伝えただけだけど。」 「それと川が汚れるって、よく覚えていたね。たしか高校の頃のことだよそれ。」 たしかに当時はそんなことを少し本気交じりで言ったけれど、 恋人として同棲している今は、そんなこと微塵にも感じたことはない。 「最近忙しくて、なかなか一緒にいなかったからさ。いるときに目一杯伝えたいと思ってさ。」 「いやいや、そんな強引にぶち込んでこなくてもいいですよ。十分に伝わっていますし、 私もそれに出来る限り答えてきていますから。」 「それに今まで結構きついことを言ってきたりしてきたからさ、 もっと優しい言葉を伝えたいと思っているんだ。」 そういって、少し神妙な顔つきになるかがみ。 ホントどうしてこの人は、こうも真っ直ぐで優しいのだろうか。 「……かがみ、かがみから私への気持ち。言葉で伝える以上に十分伝わっているよ。 真っ直ぐで相手のことをすごく思いやっていて、ホント自分のことのように感じてくれているの わかっているし、そんなかがみのそばにいれてすごく幸せに感じているよ。」 「こなた、ありがとうそんな風に言ってくれて。私結構ダメなところもあるけどさ、 これからもよろしくね。」 「こちらこそよろしく、かがみん。」 春の優しい日差しが差し込むテラスで私たちは、これからも一緒に過ごしていくことを誓い合っていた。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-11-29 09 25 57) 和む……良作すぎる…! -- 名無しさん (2020-10-26 23 26 06) GJ! -- 名無しさん (2017-04-22 14 42 52) 脳が溶けました -- 名無しさん (2014-05-06 22 14 03) 良い作品GJです。 楽しく読ませて頂きました、ありがとうございます。 -- kk (2014-04-12 22 10 13) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)